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徒然草子G

〜 私的『痔』日記 〜

入院生活2


98年5月3日(日)のこと

術後2日目。
4時過ぎにやっと眠りにつけたにも関わらず、6時前には目が覚める。今日は少し天気悪いようだ。寒い。まだ、お腹の張りは治らず痛い。オシリは相変わらずズキズキ痛い。痛み止めを飲む。しかし、「痔」の痛さではないので術後の患部が治癒回復するのを待てばいいのだと思うとそこはかとなく嬉しい気分である。

7時の検温の時、お腹の張りを訴えたがあまり心配しなくていいとのことであった。患者同士でも「あぁ、そりゃ大丈夫よ。ガスかウンコが溜まっとるだけよ。珍しいことじゃない、がはは」と軽くいなされる。

8時に朝食。
術後の夜、回復室で食べたのと同じパンであった。日曜・祭日はまかないさん(調理士?)が休みなので、朝はパン、昼と夜は弁当給食である。
食べてみた。「えっ?」「うぅ〜ん、こんな味だっけ?」と、極めて普通のロールパンであった。状況でこうも味がちがうものなのかと思わず唸ってしまった。

8時半。処置。
「これから処置を行います。入院患者の皆さんは診察室の前に降りて下さい。」とアナウンスがあり、ぞろぞろと1階の待合に降りる。病室は2階3階であるがエレベータはない。当然、階段ということになる。そして一番新しい患者である私が、一番のろい。ゆっくり、ゆっくり、オシリに振動を与えないように降りるのであるが、一段毎にズクン、ズクンくる。やっと1階につくころには、すでに処置をすませた患者とすれ違ったりする。
ひょっとして、指や肛門鏡入れたりするのかも(考えだけでオシリがうずく)とビクビクしていたが、患部の洗浄と傷口のチェック、それに注射を1本打つだけであった。これは、みんな同じらしい。痔瘻のみの手術患者は注射なしとのことである。
で、初めての処置であったが、「ウンコは付いてないけど、よ〜く洗うように。ウンコつけてきたら、指突っ込むけぇな(笑)」と姐御看護婦。「ここと、ここと、ここに傷があるけぇ、なぁ。」と、ピンセットのようなもがあたる。気がする。「ひぃ〜、やめてぇ〜(涙笑)」実際には患部に直接当ててはないのだろうが、なんかイメージ的にも痛かった。
その後、注射。これは術後2週間、毎日1本。

午前中、章太郎が来て少し遊んで帰る。
昼食後、1時にもよおして来たのでトイレに。「ふぅぅ、痛てててて」と言いながらも排便を済ます。ウォシュレットでゆっくりオシリを洗う(やはりピリピリと痛いのであるが)ので都合5〜6分かかるが、実際の排便時間は1分ですむ。
ひょこひょこ歩いて(排便後はどうしてもヘンな歩き方になる)ベッドに倒れ込む。2〜3分すると落ち着いてきた。お腹の張りもすぅ〜っととれ、スッキリと心地よい。そのままウトウトする。

昼寝からさめ、非常に楽だったので、これまでの経過を打とうかなと思ったが、今日くらいはまだやめとこうと自重する。なんだか、急に元気になり夕食も夜食(差し入れのおこぼれのいなり寿司やケーキ)もパクパク食べてしまう。娯楽室や喫煙コーナーで患者同士で数々のエピソード(患者間で代々伝えられるホントかウソかわからないものまで)やら看護婦同士の確執の話やら面白おかしい会話がはずむ。

入院患者は皆『痔』の手術経験者であり、似たりよったりの手術をし、多少の個人差はあるもののだいたい同じような経過で回復しているので話題にはことかかない。みんな(老若男女を問わず)恥ずかしい思いをしてきてるし(手術前後含む)退院がいつになるやらわからないという患者もいないので、明るい明るい。わいわいゲラゲラやってるのである。術後間がない新入患者たちは「笑わさないで〜、オシリ痛いよぉ〜」と笑いを堪える。そして消灯時間になり各々部屋に戻っていく。


98年5月4日(月)のこと

術後3日目。
昼食後、排便。排便前にタマタマ側がズックンと痛かった。排便後5分くらいで痛みはとれる。17時過ぎ、排便。今回は良好(良好って言っても排便時と直後は痛いのよん)。よしよし。

今日はこれまでの経過を少し入力する。まだ座ることができない(怖いだけ?)ので寝ころんで入力。結構、腰や肩や首がこるのであまり気合を入れず少しだけ。


98年5月5日(火)のこと

術後4日目。
9時と18時に排便。何だか昨日、一昨日に比べ痛さが増してるような気がする。定期的(約6時間毎)な痛み止めをかかせない。特に夕方は痛かった。カット綿に着く出血は減っており、赤からピンクとだんだん薄くなってきてはいる。

以下、日記「徒然草子」より
術後4日目に入り、入院生活にもリズムができてきた。経過も順調で日々回復しているのがわかるようになってきた。
朝は5時半ころ起床。朝日とともにって言うか11時前には寝てるしぃ(笑)。
ここから8時の朝食までが長い長い。することないので本を読む。7時に検温やら回診やらで少しうだうだして、やっと朝食。
この後は、手に汗にぎる(そんなもんじゃない?)トイレタイム。退院間近で楽々すますモノいれば、われわれ新参者のように額に汗し、ひょこひょこずりずりと足を引きずり、おもむろに且つ静かにベッドに倒れ込む(モチ、うつ伏せで!)モノありという感じである。
寝るまで2時間おきに温水洗浄(要はウォシュレットタイム)があるが、それ以外には12時の昼食とそれに続く処置(オシリきれいにしてもらって先生によるチェックと注射)、4時半の夕食くらいの定例行事くらいで後は何もない。

思索にふけったり(って仕事のことばかり考えてたりして)、読書するにはこれとない時間である。ほんとうはネット繋ぎたいんだけどなぁ。ちょっと淋しい。

面会に来てくれた章太郎と電卓で遊んだり、柏餅とちまき喰ったりの今年の端午の節句であった。「どうして、章クンちはこいのぼり上げんのん」には返す言葉なし。


98年5月6日(水)のこと

術後5日目。
9時と15時に排便。昨日に比べ痛みが多少ゆるくなった。

今日は待ちに待った風呂の日!
火・金の週2回が入浴の日である(梅雨〜夏場はどうなのかわからない)。昨日が休みだったので今日にスライド。入院以来初めての風呂。7日ぶりの風呂。2つ風呂があり、今日は男性陣から。順番は高い部屋から(特別室、一人部屋、二人部屋と順に)で、3人部屋は最後。で、新入りの私が男性陣のしんがり。
シャワーでよく患部を洗い、湯船につかる。「うぅ〜、極楽。極楽。」石鹸で体を洗うことは禁止されている(患部にあたると超シミルらしい)のでシャワーで流してつかるだけ。シャンプーは湯船に入って身を乗り出すようにしてする。気持ちいい! 4日にたまらず洗面台で(それも水!)シャンプーしたけど、やっぱ風呂で洗うと気持ち良さがちがう。ついでに足だけ洗っちゃった、シャンプーで(笑)

風呂上がりに体重計に乗る。「げげぇ、なんじゃこりゃぁ。」なんと77kgだぁぁ。ひょぇ〜、4kg近くも太ってるよぉ。食っちゃ寝、食っちゃ寝、で、はっきり言って1日4食だもんね。それにこれまでほとんど間食なんかしなかった(お菓子とかほとんど食べないタイプだったんです)もんが食べてるもんなぁ。少しセーブしなきゃ。あわわ。(笑)

今日は一挙に4名退院(日祝祭日は退院できない病院なのです)。同室のMさんも晴れて退院。部屋からTVなくなる(Mさん所有物だった為)。置き土産としてカップ麺3個、しょうゆ、週刊誌数冊。
世に言うゴールデンウィークも終わり、術後の経過もいいのでお仕事モード(笑)。窓側のベッドであることをこれ幸いに出窓の広い桟を机変わりにして、ノートブックやらマニュアルやら書類トレイなどを並べる。ベッドの上に円座をひいてそれに座る。あぐらはまだかけない。正座を崩した所謂おばさん座り。但し、長時間は座れないので、ひじ枕をしてノートを操作したり。休み明けで、あれこれと仕事の電話が多かった。但し個人部屋ではないので、同室のKさんが出掛けた時(ちょうど今日から外出OKになったので昼間は一人部屋になっていた)や人のいない娯楽室やベランダから電話したけど。


98年5月7日(木)のこと

術後6日目。
5時と13時に排便。朝5時の便は今までよりも少ぉし硬め。十分柔らかいのであるが、少し硬い感じがしただけでドキドキものである。2〜3日前の排便時の痛さはかなり薄くなった。痛み止めを飲む間隔を日3回くらいのペースにしてみる。

同室のKさんがしきりと「頭痛とかするようになりませんか?」と聞いてくる。仕事してるからではなく、Kさん始め患者の何人か(多くはないのだけれど)は術後2〜3日は調子いいのだけれど、3〜5日位して急に頭痛くなったりする人がいるようである。麻酔のせいなのか、患部の回復途中の足踏みなのか、体質なのか、ひどい立ちくらみみたいなものなのかわからないが…。幸いな事に私自身は頭痛等は現在のところ全くと言っていいほどない。


98年5月8日(金)のこと

術後7日目。
9時半に排便。痛みもかなり薄らぎ、なかなか快調である。イスにも座ったりできるようになった(これまでもできたのだろうが、無理はしないでいた)。 痛み止め飲む量を半分にする。2個づつ飲むところ1個ずつにした(この飲み方は外道であろう。ほとんど気休めというかおまじないみたいなもの)

今日は風呂の日。さっぱりする。毎日入れればいいのに。できれば痔の回復にいい温泉とか(笑)

同室にGクン(27歳、独身)が入院。寄ってたかってみんなでアドバイス。1週間前はド素人だったのに、もうベテラン気取りであれこれ吹聴する。俄医者の多いことである(笑)



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