入院。
昼過ぎまでかけて必要最低限の仕事のみ片づける。ノートブックやら5月いっぱいで上げなきゃならないシステムの資料類だとかをカバンや紙袋に詰め込み帰宅。カレーを食べる。
2時5分、病院着。
3階、南向き、窓側、ラッキー。ここで2〜3週間ほど過ごすのか。
血液検査やら心電図の後、いよいよ毛剃り。 |
病室に戻ると、Kさんと母が話の最中。 なんでも、お互いの親同士は知り合いだったようである。それはさておき、「さぁさ、帰った、帰った」と母を送り出し、さてと、なんだけどすることもない。取り敢えず妻に報告だけして一段落。
Kさんに手術の状況や術後のことやら聞く。そのうち、先輩方がぞろぞろ集まりありやこれやと注意事項やらおどし(笑)やらはじまる。みんな陽気で明るい。ほんとここは病院なのかと疑ってしまう。 時間ができたので早速、携帯用のモデムの再インストール(昨夜と今日の午前中、仕事の片手間にセットアップしたのだがうまく動作しなかった。)を試みる。が、どうもうまく動作しない。1時間程あれこれやってみるが結果はNG。
と、そうこうしているうちに4時30分。
同室のMさんもピッタリ食事時に外出から戻って来る。もう1ヶ月以上入院されてる(仕事の都合上、退院後通院できない為、完全に完治するまで延長してるらしい)だけあって貫祿十分。ペコペコと挨拶させていただく(笑)。ここでも、少しおどされる。そして「じゃ!」と言ってMさんは再びパチンコに。 |
夜、予定通り腹がへる。 午後7時の外出門限時間になり外出中の入院患者も皆、戻ってくる。門限ギリギリに走って戻って来たり、それを看護婦に怒られたり、夜食用に買いだしたコンビニの袋を持ってたりする。 早速、いなり寿司とかご相伴に預かる。また改めて手術や入院生活、入院前のことなどを面白おかしく聞かされる。そして8時過ぎには出前を取ったりして消灯時間の9時位までワイワイ(一部だけど、その一部の部屋に当たってしまった)やっている。ご婦人方(入院患者の男女比が6:4くらい。年配の方多し)も幾人か輪のなかに入っている。
ほとんど学生寮のノリ。である。 |
9時消灯。各々自分の部屋に戻り静かになる。同時刻に下剤を大量の水で飲まされ、いよいよ手術に向け準備開始。 これ以降、手術後の明日午後10時まで何も食べられない。暗くした部屋で少しボリュームを絞ったMさん持参のテレビを見る。眠れないかと思いきや、プロ野球ニュースを見るまでもなく11時前には寝入ってしまう。 |
オペ当日。
朝、青空に雲がふわふわとしている光景が目に飛び込んでくる。
7時半浣腸。朝もよおしたけど我慢した旨伝えると、あきれ顔で怒られた。どうせ浣腸で排泄するんだし、脱出してたら浣腸する時、超痛いといやだったから。しかし、そんなこと杞憂にすぎなかった。それは2回続けて浣腸するってことだったのだ(笑) もう、ブリブリに剥き出し。痛てぇよぉ。
しかし、腹へったなぁ。 |
空腹と闘いながらオペの時間を待つ。 この間にも、何度か会社から電話入ったり、電話したり。昼食をKさんが少し残してるのを見て、あぁもったいなってマジに思った。
そして、時計の針は2時をさす。 |
2:00 病室にて注射。 安定剤とのこと。肩にうつ。痛い。そのまま歩いて手術室に行く。みんな「頑張って下さいネ〜」って送ってくれる。手を振りながら「ども、ども、行ってきます」と妙にお気楽な感じ。
2:05 手術室入室。
2:08 麻酔注射。 |
2:10 執刀開始(入刀?)。 「じゃ、始めます。大丈夫ですからね。」と先生のお言葉。 ビデオモニタがあるでもなし(AV女優じゃあるまいし)、鏡張りでもなし(ラブホテルじゃないっつうの!)で、どんなことされてんのか見るすべもないのでよくわからないが、お腹の奥のあたりがぐにゅぬぐにゅされて、たぽたぽしてるような感じがあるだけで痛さはない。 ただ、なんとなくウンコしたいような感じが少し。 「な、なんか出そうかも」と言うと「出ない、出ない。出そうだったら我慢してね。って言ってもどこにもチカラ入らんでしょ(笑)」と看護婦に言われる。
結構気さくに看護婦や先生と話をしながら手術は着々と進む。オペ中に音楽をかけること(先生はうるさいからかけないそうだ)とか、世間話などもする。「切り取ったモノ(痔)ってどんなんですか?」って聞くと先生が「首飾りにでもするかね。ははは(笑)」って。 |
2:38 オペ終了。 カチャカチャと何か置くような音がして、「はい、終わりましたヨ。」と先生。 「えっ、アッはい。ありがとうございました。あのぉ、大丈夫でしょうか?」 「はいはい、無事済みましたヨ。全部きれいになってますよ。お大事にして下さい。」と、先生は手術室から退出。 「ホッ」
手術終了後、モソモソ、ごそごそと看護婦2名で何やらやってる。綿をひいたりT字帯(いわゆる「ふんどし」)つけてくれたり。手術前は縮み上がっていた息子タチもだらしなくだらぁんとしている。「もう、どうにでもしてっ!」(笑) はっはっはっ、これで私も『元痔主』だわい。
2:55 回復室。 |
40分位の点滴後、貴重品とか持ってきてもらう。と、言っても実は携帯だけが欲しかったのだが(笑) 早速、妻に報告。電話の向こうでも安堵してる様子がわかる。 そのあと留守電に入っていたお仕事関係の電話を少々。電話を切るなり(再び留守電モードにして)眠りこける。5時頃、目が覚める。また、仕事関係の電話(1本ですんだ。でも麻酔もきれはじめ何だかロレツがおぼつかない)。その後、再び家に電話。することなくて、じっと転んでるの苦痛。腹もペコペコ。そして、少しずつ麻酔がきれてきているのがわかる。
8時、すっかり暗くなり長い夜が始まった。僅かながら痛みを感じ始めてきた。と、同時におしっこしたくなってきた。出んのかなぁ、と思いつつもしたくてたまらなくなりナースコール。「多分、出ないと思うよ。オシリに詰め物してるので膀胱を圧迫してしたく感じるんですよ。」と言いながらも尿瓶を持って来てくれる。
9時半、痛みが激しくなりたまらずナースコール。もう、オシリの髄から骨盤あたりがズキズキする。ズキズキと言うよりも「ズっくん、ズっくん」って感じである。どのくらいが痛いのか(人と比べ)よくわからない。もっと痛くなるのか、これがマックスなのか。とにかくたまらなくなり「う、う、痛てぇ」。あと30分たてば薬が呑める、パンも食べれると励まされただけで戻ってしまう。
ゆっくりゆっくりとではあるが、それでも時計は進み、念願の10時。看護婦さんがやってくる。「はい、これからパン食べてね。お腹減ったでしょう。」とパンとオレンジジュースをくれる。寝ころんだまま食べる。
飲み薬がそんなに急に効くわけがない。わけがないけど、なんだか少し落ち着いて少しウトウトした。
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ぼぉっと目が覚め「やったやった寝れたじゃん」と思って時計を見ると、なんとなんと5分位しか進んでない。空腹を多少満たされた満足感はたった5分のものであった。 うっ、い、痛い。 薬よ早く効いてくれと祈るような気持ちで頑張ってみるが痛さに変わりなし。「ふすっっっー」とか「ふゅー」とか息を吹き出したり「いってぇなぁ」と隣のおじいさんのこと多少考えて小さい声でつぶやいたりする。寝返り(これまた難しいのだけれど)をゆっくりうったりするが状況は変わらない。もう少し我慢しよう。寝ればいいんだと目を閉じるが、寝れない。5分が30分にも1時間にも感じるのである。
もうたまらんと11時30分頃ナースコール。「もう、だめ。痛い。薬もっとくれぇ〜」と蚊のなくような声で訴える。「あと30分は追加投与できないから、頑張って!あと30分だから」と言われるが、30分って、そ、そんなぁ。
4時前に目が覚め、痛さもぶり返してきたが我慢しながら(我慢できる程度の痛さであった)小刻みに寝たり起きたりを繰り返し夜明けを迎える。
とてもいい天気。ひんやりした空気が身体中に心地よい。 |