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徒然草子G

〜 私的『痔』日記 〜

ある出来事 −大腸検査−
(日記「徒然草子」より 一部加筆


97年6月4日(水)のこと

「うわぁぁぁ、たいへんだぁ」

たいへんなことになってしまった。
今週末に腸の検査を受けなきゃならなくなった。「大腸憩室ぅ?」「左の盲腸ぉぉッ?」なんじゃそりゃぁ? きいたこともない病名の疑いもあるとのことで大腸の検査をしなけりゃなくなった。
あのおしりの穴からバリューム入れるやつ??? もうだめ、思っただけでアブラ汗がでてしまう。がんがん下剤を飲まされて、バリューム突っ込まれるんでしょぅ?
なんかいい方法ご存じの方はメール下さい。



97年6月6日(金)のこと

いよいよ恐怖の検査が迫ってきた。
昨日は昼飯を食べる機会を失ってしまい、おまけに社員の親族の通夜に行かねばならないとかの出来事があった為、19時前にお昼の愛妻弁当(自分で言うか?)を食べたきりである。今朝はその分、しっかりと食べた。
しかし、今日の昼からは半絶食状態。普段は、二・三食抜いても(体にはよくないんだけど)結構平気なんだけれど、故意に食べないとなると、異常なほど空腹感を感じる。ましてや、あまり水分(アルコール以外)をとらない人間にとっては、2時間おきくらいにガバガバ水分を胃に流し込むのは、かなりつらいもんがある。
あと3時間後に下剤を飲まねばならない。検査開始は明日11時。

多く(?)の方に、励ましや哀れみやひやかしやらのメールを頂戴いたしました。この場を借りまして「あぁりがとぅ。」



97年6月7日(土)のこと

6/6 21:00 クエン酸マグネシウム(34g入り)のマグコールなる水薬250mlを飲む。
飲みやすくするため冷蔵庫に入れて冷やしておいたボトルを取り出す。
「えいやぁ」っと、ふたを開け、まずは匂いをかぐ。塩素系の香り。プールのカルキのうすいやつというか、ぶどうジュースのような匂いである。
一口含む。舌でころがしてみる。「・・ん? 炭酸?」実際には炭酸は入っていない。「わかった、ソルティドッグの味じゃぁ。」と結論に到達し、残りを所謂イッキで喉に流しこみ、ぷはっ。
「なんか、もうきたのかな」と、相変わらず、薬すぐきく人間してた。妻には、
「こーくん(こう呼ばれてる)は、風邪をひいて待ちょうるほうじゃけぇねぇ。もう、おしりの穴ひろげて待ちょうるんじゃろう。は、は、は。」と、言われた。わらいごとじゃないんだけど。そうかもしれない、・・・とほほほのほh

6/6 23:00 錠剤5粒を飲む。水200mlってのがつらいよん。なんか、腹は減ったままだし、ダボダボしてるし、マジでごろごろ(正確にはプコ、プコって程度)してきた、気がする。
さっさと、寝て待つしかないか。寝ウンコしないよネ?

6/7 01:20 下腹部にピピピって衝撃がはしり、目がさめる。「いよいよ来たか」と、おもむろにトイレに駆け込む。
しかし、便座に座ったもののなかなか出ない。腸はゴロゴロ、ブクブクと活発に活動をはじめてる。オシリのあたりで、出る出ないの小格闘をしている。なんか、拡がりかけたり、ひっこんだり、って感じである。
「大丈夫、大丈夫、さぁ、いけぃ。」と、オシリをいたわりながら、少しずついきんでみる。座って約3分後、むにゅりん、って頭が出てくる。最初のうちは、コロコロとしたものが5、6個ほど出た。と、すると、突然、なにか温かい感覚があったと思った瞬間、はじまった。
約15分後、トイレをでる。やはり、おしり痛い。

6/7 03:00 眠れず、これまでの経過をアップ。




6/7 07:10 いつの間にか寝てしまってた。朝の水分補給に起こされる。
夜中は、特に便意ももよおさず、「こんなもんかいな。」とやや疑う。
起きると、待ってましたとばかりに腸が活動を始めた感覚があった。そして、コップ一杯の水(あったかい玄米系のお茶を水でわったものであるが)を、4回くらいにわけて飲んだ。もう、グビグビ飲めないのである。
すると、きました、きました、アッという間に便意が。腹の底からこみ上げてきました。そして、ものすごい勢いで・・・、オシリが熱い。
トイレ所要時間 13分
オシリは痛い、せっかく戻ってたのに、又、ムキ出しの状態に。風呂でシャワーをする。ウォシュレットがほしい。

6/7 8:00 朝食として、お茶を頂く。
すると、又々、きましたヨ。所要時間17分。痛い。
トイレから出て、10分もしないうちに、又、もよおす。もう、いい加減にしてよ。所要時間10分程度。最後のへんは、音(いわゆるオナラ)のみ。10時に最後の水分補給をして、いよいよ11時より検査か。
早く戻らないかな、痛てぇよう。

6/7 10:00 最後の水分補給。もう、飲みたくないよぉ。9時半ごろ、トイレに駆け込んだ(所要時間8分)後は、落ち着いている。落ち着く?否、オシリは超痛い。これ以降は便意もよおさず。
シャワーでオシリを洗浄の後、意を決して病院に向かう。ふひぃ。




6/7 11:00 病院に到着。
婦長さんに、にこやかに迎えられ中待合へ。「どうですか?お腹すいたでしょう。すぐすみますから、もうちょっと頑張ってネ。」と声をかけられ、「へへら」と頭をかく。(何故に頭をかいたのかよくわからない。自分の幼児性丸出しだな、これは)
まずは、注射。横になり10分ほど安静にしてた。注射のせいか、のどがカラカラになってきた。「昼は何食べようかなぁ。」と、天井を見てた。
(そうだ、肝心なこと忘れてた。)と、婦長さんに
「あのぉ、わし(私の方言)、オシリが、ちょっと・・・」って、言うと
「あら、そうなの?」と、OKサインの小さいのを作りながら「痔なの?先生にちゃんと言っておくわ」と簡単に言われた。
もう、ここまできたら、後には引けぬ。運を天にまかせ腹をくくる。
その時、奇跡的にも、オシリのはみ出しものが戻るのを感じた。残念ながら全部ではないが、痛みがかなり和らいだ。

6/7 11:15 「どう、気分は悪くないですか」と看護婦さんに声をかけられ、「トイレにどうぞ」って言われたけど、別段、便意もなく、それよりも何よりも、元に戻った(一部ではあるが)状態を維持したかった。
「いえ、特に便意はもよおしてないんですが、無理にでも、トイレ行ったほうがいいんでしょうか?」と回答すると、「じゃ、レントゲン室に入って下さい。」と、導かれるまま、レントゲン室に入る。
パンツも脱いで診察服(?)に着替え、待つこと約2分、先生登場。仁術的な先生である。「ふぉ〜ぃ、ここにころんで。」と、指示されるままレントゲン台に横向きに寝っころがる、片方の脚をやや曲げ、オシリを突き出すような格好になる。
ひんやりとしたものが臀部に感じられ、
「おぉ、おぉ、こりゃぁ、切ったほうがええど。痛かろうが。」
と、その瞬間、ズキンとした疝痛が脊髄を駆け登り脳天に達する。本能的に腰が引けてしまった。「ちょっと、我慢せぇの、死にゃぁへんけぇ。」と励まされ(?)ながら、オシリのまわりを冷たいものが這い回る。
レントゲン台の補助棒をにぎる手がジトって汗ばんできた。何か、むにゅっとした感じがして、「よし、うつ伏せになって」と、挿入が完了したのであろう。ずきん、ずきんと膝からヘソのあたりに痛みが蔓延する。
レントゲン台がゆっくり動きはじめ、逆さ吊りの状態になり、いよいよバリュームが注入される。じゅるっ、じゅるっ、と入って来てるのがわかる。なんとも気色悪い感覚でお腹一杯になる。オシリの痛みもどこえやら。「う、う、吹き出しそう。」って感じを、理性で必死に押さえる。

6/7 11:25 撮影は早かった。と、思う。服を着替え、トイレに駆け込む。
トイレに大きな音が恥ずかしいくらい響きわたり、バリュームの甘い香りがただようなか、私はある種の解放感を実感してたのであります。


後記 検査結果は異常なく、憩室などという聞いたこともない部位の存在も認められなかった。「大腸憩室炎」から「腹膜炎的症状を伴ったS字結腸の炎症(治癒済み)」とカルテに書かれた。か、どうか定かではない・・・が、あちらの専門医に紹介状は書いていただいた。(名刺の裏だけど)

これから、又、出社せねばならないと思うと、オシリがヒクヒクする。
この最終稿を記述してる間も二度ほどトイレで爆音を轟かしてしまった。「もう二度とせんど。」

夜、消毒と称して流し込んだアルコールの美味かったこと。



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